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Melty Chocolate

おはようございます。マーチャオβのいしだです。

昔、ブログを毎日のように更新していたんですが、
その時、何を考えながら、どんな文章を書いてたっけなぁ、と、
過去を振り返る業務に入っていました。

すると、結構断片的、抽象的な書き方が目立つような感じで、
今振り返ってみると、これってどういう意味なんだろう……と
思うような内容もチラホラありました。

で、その中に時々ショートストーリーが混ざっていたりしたんですが、
その文章も、今の私が書くものとは結構違う感じで、
良くも悪くも、変わっていくものなんだな……と思ったり。
こうして、時々振り返ってみるのも悪くないなと感じます。


過去のもので少し恥ずかしいのですが、
時節的に丁度いい作品が一本あったので、追記の中に隠しておきます。
昼休みの暇つぶし位にはなればいいかと思います。









昼間、何となくファミレスに行くと、めちゃめちゃ混んでいて、
仕方なくぼんやりと待っていると、偶然、中学の頃の同級生に会った。
成人式の時に会わなかったから……えーっと、10年ぶりになるのだろうか。
昔の面影は何となく残ってはいるものの、今はオトナっぽくなっていて、
3年の時同じクラスだった彼女の、苗字は思い出せたけど、
名前を思い出す事が出来なかった。

そんな彼女は、今では会社で知り合った男にプロポーズされて、
6月には結婚するって話になってるらしい。
ああ、もうボクたちもそんな歳になったんだなぁ、って思いながら、
彼女と昔話に花を咲かせた。

「なんかさ、この季節になるといつも思い出すんよね。あの頃の事。」
「あの頃の事?」
「うん。中2の頃やったかな。今とは違って、まだポケベルもそんなに
普及してない時代。あの頃と街並はあんまり変われへんのに、
ギジュツだけは進歩してるんやなって思う。」

確かにあの頃とは違って、近所の工場はマンションになったし、
校区内にあったファミコンショップは全部潰れたし、
中学時代に好きだった娘がバイトしてた、ガソリンスタンド内の
コンビニもなくなった。
私鉄の駅は新しくなって、駅前には新しいマンションが立ち並んで、
あの辺りは今と全然街並が変わってると思ったけれど、
それ以外の場所は、あんまり変わっていない気がする。
今でも、公園のアスレチックは残ったままだし、
古めかしくて、半ば遺構になりつつある歩道橋もそのままだし、
中学校の校舎も、やっぱりそのままになっている。

「わたしさぁ、あの頃、好きやった奴がおったんよ。」
「ふぅん?それ、マジで初耳。誰なん?それ。」

ボクの記憶が確かなら、彼女は、当時のクラスの中でも
結構人気があった方だ。彼女の事を気に入ってた奴が頭に浮かぶ。

「2年の時さ、そいつと偶然一緒の係になったんよ。体育祭の時。」
「あー、なんか懐かしいな。」
「わたし、点数係やってん。なんか凄い大きい紙に数字書いた紙
窓に張ってさ、白組何点、赤組何点って感じでさ。」
「なんかそれ、俺もやった気がする。」
「うん。でさ、その時、そいつと一緒に得点係やる事になってん。」
「あれって2人交代やったっけ。確か。」
「そうそう。朝の部と昼の部の2交代制。わたしとそいつは昼の部。
 でな、あれってずっとペアの男子と2人っきりなんよ。教室に。
 それでさ、それまで意識してなかったんやけど、そいつの事。
 色々話したかなぁ…。部活のこととか、センセイのこと。
 その度に、凄い楽しそうに笑うんよね。で、なんかいいなぁって
 思うようになってから、ずっと目で追ってたんよね。気が付けば。
 違うクラスやったけどさ。」
「へぇ、そんなことがあったんや。」

確かボクも似たようなシチュエーションを体験していた。
何年の頃だったか、女子とふたりで喋りながら得点係をしてた。
そこそこ楽しかったような気がするけど、あんまりよく覚えてない。

会計を済ませ店を後にして、変わっているようで変わっていない街を歩く。

「それでな、暫くして今くらいの季節になったらさ、ほら、
 バレンタインやん?その時に、色々考えたんやけど、
 告ってまおうって思ったんよ。一緒にチョコ渡してさ。」
「うわっ、乙女チックやなw」
思わずニヤけてしまう。
「でもさ、その日の朝にそいつに渡そうって思ったのに、」
「うん。」
「そいつ、遅刻してきてさ…。」
「うわ…。間、悪いなぁ…。」
遅刻と言われ、何となく、上司の顔が頭に浮かんだ。
「でさ、休み時間って結構微妙な感じやったやん?」
「うーん、確かに、そうやね。」
確かにうちの中学は、男女間の会話が少なかったような気がする。
それを置いてもバレンタインデーだ。彼女の気持ちも解る。
「せやから、昼休みにしようと思ったんよ。」
「まぁ、そうなるね。それで?」
「でもな、昼休みは昼休みで、担任に呼び出されてて…。」
「なんかやったんか?そいつ…。」
「さぁ?でも、結局そのままタイミングなくて、放課後になったんよ。」
「うん。」
「あれはもう忘れへんわ。なんか、今思えば、すごいストーカー
 っぽかったけど、いつ渡そうってタイミング伺おうと思って、
 ちょっと離れて付いていってたんよ。」
「なんか、今やと間違いなくストーカー扱いやね。それ。」
「まぁね。で、そいつの家に付いて行って、インターフォン押そうか、
 どうしようか、って凄い迷ってると、なんか別のコがきたんよ。」
「ほう?ライバルやな。」
「うん。それでな、わたし、隠れてんな。じゃあさ、
 そのコがインターフォン押して、いきなり出てきたそいつに
 抱きついてん。」
「おぅ…。」
「でな、なんか凄い悔しくて、箱握り締めたまま、めっちゃブルーに
 なりながら家に帰って、弟にそのチョコ投げつけたらさ、そのチョコ、
 すごい溶けてたらしくて…。」
それから暫く、彼女は、そいつのことがホントに好きだったこと、
ただ、その一件でそいつのことを諦めるのに、1ヶ月くらい
立ち直れなかったことを話してくれた。
チョコレートがトロトロになるくらい握り締めてたなら、
よほど悔しかったんだろうと思うし、そいつがよほど好きだったんだろう。
哀れ、少女の初恋よ。ボクはそう思いながら、彼女の話に耳を傾けていた。
多分、そのコはそいつの妹で、ドア開けるのが遅い兄を張り倒したのさ…。


「でもさ、あの頃は結局あかんかったけど、それから、
 言いたい事はしっかり言い切っとかなあかんなぁ…って、
 思うようになったかな。」
「まぁ、それが後に繋がったんなら良かったんちゃう?」
「うん。せやから、ありがとうね。」
何となく、心が傷んだ。けれどボクは、精一杯の優しさで、

「どういたしまして。」
と、10年前には彼女のバイト先であるコンビニがあった、
ガソリンスタンドの前で、言った。





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